脳梗塞と八総穴

2022.07.26

こんにちは!鍼灸師の矢澤です。

ハート脳梗塞リハビリラボでは、利用者様の症状改善の為に

鍼治療60分 理学療法60分の計120分のリハビリを行っています。

鍼治療に関しては、西洋医学的な考え方と東洋医学的な考え方の両方を取り入れて施術を行っています。

どちらかに特化している先生方にとっては批判の対象になるかもしれませんが、私的には効果があればどちらでも良いと思っています。

脳梗塞の後遺症をお持ちの方は複雑な経路で症状が出現しています。西洋医学的な考え方では、良くならないとされる症状でも、東洋医学的に考察すると症状緩和が見込める場合があります。

痺れを例にとります。後遺症で厄介な症状の一つがしびれです。脳の器質的変化が痺れを発生させ、記憶してしまうので慢性化します。西洋医学的に症状発生の経過年数が長いほど症状が不変とされています。一方で東洋医学の考え方では、しびれを「痺証」として扱います。どんな原因でしびれができ、痺証になったのかを考えて、治療を行います。実際に経験したこととして、肩から腕に強いしびれがあった発症3年目の方の事です。2回/週の鍼治療によって、しびれが指先に移動して症状の強さが減りました。これは著効した一例なので、全員に効果があるわけではありませんが、西洋医学ではあまり考えられないことが起きることもあります。

逆のパターンももちろんあり、関節可動域が狭くなった方の治療法は、直接関節周囲に透刺鍼を行い可動域訓練を行った方が効果性が高いです。

奇経八脈

東洋医学的にツボを選択する際は、正経12脈を基本としてその中からツボを選んでいくのが王道スタイルです。※任脈と督脈を加えて14脈を基本とする場合もありますが、複雑になるので含めません。今回のテーマの奇経八脈は裏技的なポジションになります。

しかし、裏技の奇経治療も学校ではあまり教えてくれませんし、文献も少なくやっている先生も少ないと思います。※使う必要が無いのだと思いますが。

私はこの奇経の考えの中で八総穴を使用した治療をよく使います。手と足の末端のツボをコンビネーションで使用しますが、反射反応や通電による生体反応が体に良い影響を与えることがあります。

八総穴

それぞれのツボを2つセットで使用します。部位とどんな症状に有効か、教科書レベルで記載します。赤色がツボの名前です。

後谿(督脈)ー申脈(陽蹻脈)

目内、耳、項頚、肩、腰背を治す

外関(陽維脈)ー足臨泣(帯脈)

目外、耳後、頬頚、肩、脇肋を治す

内関(陰維脈)ー公孫(衝脈)

胸、心、肝、脾、胃を治す

列缺(任脈)ー照海(陰蹻脈)

胸、咽喉、肺、膈、肝、腎を治す

これだけではさっぱりわかりませんね。けど教科書レベルはこんなことくらいしか記載されていません。鍼灸師はこの流れにそって症状が出た場合に、正攻法でなかなか治らなければ、こちらのツボを使用します。これが奇経治療での裏技です。正経12脈とは独立した考えなので、使用した事ない先生も一度使ってみると面白いですね。