脳梗塞シリーズ 脳梗塞後遺症 肩手症候群

2021.06.25

脳卒中後肩手症候群は本当に多い。結構おられる印象です。そしてこの症候群の厄介なところは、痛みがあるので患者さんがリハビリを嫌がってきてくれない。家に引きこもってしまう。様々な弊害がある症候群なのです。

脳卒中後肩手症候群は,脳卒中発症2週から3ヵ月後に好発する疼痛,腫脹(多くは手指,手 背部),熱感,色調変化を伴う上肢に限局した症候群です。脳卒中後片麻痺の20%前後に合併し,疼痛と関節可動域制限が著しく、リハビリテーションを阻害することから重要視されます。

1947年に Otto Steinbrocker が肩の有痛性運動障害を持った患者の中に、同側の手の腫脹を伴うものがいたことに注目し、肩手症候群 (shoulder-hand syndrome) と名付けたといわれています。複合性局所疼痛症候群 (Complex Regional Pain Syndrome, CRPS) のCRPS Type Iに分類されています。肩手症候群の病因は未だ不明です。病態生理は不明な点が少なくない。

この症候群の特徴は肩と手に有痛性運動制限ならびに手の腫脹、色素異常、熱感などがあることで、その臨床症状はさまざまです。症状的には末梢循環における血管運動異常が重視される。一般的には、はじめに肩の痛み、次に手や手首に痛みが生じるといわれています。しばしば肩関節や手の関節に関節可動域の減少がみられますが、一方で肘関節にはその影響はみられないことも特徴といえます。

医学的治療

肩手症候群の疼痛に対して、疼痛の程度に応じてコルチコステロイドの低用量経口投与が勧められています。グレードB (脳卒中ガイドライン2015) 。コルチコステロイドによって少なくとも4週間は肩手症候群が改善するようです。

リハビリテーション

温熱治療等の物理治療(温冷交代浴)やリハビリテーション(関節可動域訓練やミラーボックス療法等)

近年,有酸素運動が慢性疼痛患者の痛みを減弱させることが分かってきました。そこで、脳卒中後に生じるCRPS Type Iの痛みも有酸素運動によって改善できる可能性が示されました。

また、ホットパックによる肩・頚部への温熱療法でも、頚部の星状神経節に温熱が作用し交感神経抑制作用が働くとされています。

各それぞれの方法に論文等のエビデンスはあるが、どれをどの順番でどう選択するかはセラピストの腕の見せ所です。