手足が動くためには①

2022.07.08

皆様こんにちは。理学療法士の松浦です。
今日は「手足が動くようになるために必要な事」について解説していきたいと思います。

初めにここでは脳梗塞、脳出血で手足が動きにくくなった方だけではなく、ご高齢の方でも効果のある方法をお伝えしていきます。

  1. 1. 手足が動くためには
  2. 2. 筋肉の構造
  3. 3. 筋肉の特徴
  4. 4. 筋肉を動かす前準備

1.手足が動くようになるためには

手足が動くようになるためには、神経や骨、筋肉など様々な要素が絡み合って達成できます。
麻痺の方の多くは神経が問題と考える方も多いとは思いますが、「筋肉が弱ってしまっている」ことが原因で動かすことができない場合もあります。

リハビリをしていて
「〇〇さん。自宅(病室)でもこの運動をやってみてくださいね。」
と、自主トレを出された方は多いのではないでしょうか。

それを聞いて
「なぜ、リハビリ以外の時間でも身体を動かななきゃいけないんだ。休ませてくれ。」
と思った方は多いのではないでしょうか。僕ならそう思います。

でも、実はリハビリ以外の時間でも動かさなければならないとても大切な理由。
やることでより効率良く動かせるようになる理由があるのです。

今回はその理由を「筋肉」の観点から説明していきます。

 

2.筋肉の構造

みなさんは筋肉はどのような構造かはご存知でしょうか。
筋肉は血管や神経繊維、そして筋繊維が何本も束になったものが集まってできているのです。

この図に示してある通り、筋肉は筋束の集合体であることがわかります。
さらに筋束を細かく分けていくと、筋繊維、筋原繊維と細かくしていくことができます。

筋トレではこの筋原繊維一つひとつが細胞分裂で肥大していくことで筋力増強を図っています。

麻痺の方や高齢者の方でも同様で筋トレを行えば細胞分裂がされ、筋肥大を狙うことは可能です。
ではなぜ、筋トレ(運動)をすれば筋肉は強化され、運動をしないと筋力は低下してしまうのでしょうか。

それは、筋肉の特徴が大きく関係してきます。

3.筋肉の特徴

次は筋肉の特徴を解説していきます。

筋肉の機能と構造は、可逆的な特徴をもちます。

可逆的:一旦進んだものや、変化したものを、元の状態に戻すことができるような性質や機能のことを幅広く指す言葉。逆の意味の言葉は「不可逆的」。

引用: 実用日本語表現辞典『Weblio国語辞典』 (2022/07/04 16:30 )

トレーニングを始めとした運動を行うと筋肉に負担がかかり、それに対応しようと筋肉は変化(適応)します。

運動が行われなくなったり。ギプスなどで固定されて運動が制限されたりした場合、
その部分の筋肉の機能や構造は元の状態に戻ったり、あるいは、元の状態以下に低下したりします。

この元の状態以下に筋力が低下した状態を「筋力低下」や「廃用」と呼んだりします。

宇宙空間などの微重力下では重力という負荷が取り除かれます。
そのため、体重という負荷を支えていた筋肉群は働かなくなり、筋力低下が起きてしまいます。

近年では地球に戻る際に体重を支えられなくては困るため、宇宙空間の中で筋トレをしている事が知られています。

この微重力を生活に例えるとベッドや布団になります。
体重を支える筋肉や、腕を動かす筋肉達を動かさないことにより、筋力低下が知らない間に進んでしまっているのです。

リハビリ以外の時間でも身体を動かすことで筋力低下を防ぐことができることがわかりましたね。

 

4.筋肉を動かす準備

ある程度筋肉については理解が深まってきたでしょうか。
お待たせ致しました。ここでやっと本題に入っていきます。

前の章では筋肉の構造と特徴をお話ししました。

軽くまとめると、

  • 筋原繊維を強化することで筋肥大が起こる
  • 筋肉は動かすことで強化される


ですね。

では、リハビリ以外の時間でも身体を動かさなければならない理由はわかったけど、
どのくらいの負荷でどれ位の時間を
動かしたら良いかがわからない!

という方が多いのではないでしょうか。

そうです。運動して効率よく筋肉を鍛えるには更に大切なポイントがあるのです。
そのポイントについては、次回のブログで更に詳しく解説していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。少しでも皆様の手足が効率よく
動きやすくなるよう知識として力になれると幸いです。

それではまた、次回のブログでお会いしましょう!

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