「脳梗塞の後遺症で手足が突っ張って動かしにくい…」
「着替えや入浴が一人でできなくて本当に困っている…」
「リハビリを頑張っているのに、なかなか痙縮が改善しない…」
もしあなたが今、脳梗塞後の痙縮による様々な不自由や痛みに苦しんでいるなら、決して一人で悩まないでください。 脳梗塞後に多く見られる後遺症の一つである「痙縮(けいしゅく)」は、筋肉が過度に緊張し、自分の意思とは関係なく手足が動いてしまったり、固まってしまったりする状態です。手指が握ったまま開かない、肘が曲がったまま伸びない、足先が内側に曲がってしまうなど、その症状は多岐にわたり、日常生活に大きな支障をきたします。

なぜ脳梗塞後に痙縮が起きるのか?
脳梗塞は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳細胞が損傷を受ける病気です。この脳の損傷が、私たちが動作を行う上で重要な役割を果たす神経回路に影響を与えることで、痙縮が引き起こされます。
1.運動神経系の損傷とアンバランス
私たちが体を自発的に動かすためには、脳からの指令が脊髄を経由し、末梢神経を通じて筋肉に伝わることで実現します。脳梗塞によってこの経路の一部が損傷すると、脳から動作を抑制する指令が正常に伝わりにくくなります。その結果、筋肉を過度に緊張させる指令が相対的に優位となり、痙縮が発生すると考えられています。
2.脊髄反射の過剰な亢進
通常、筋肉が急激に伸ばされたり、外部からの刺激を受けたりすると、脊髄が反射的に筋肉を収縮させて体を守る仕組み(脊髄反射)が働きます。脳梗塞によって脳からの抑制が弱まると、この脊髄反射が過剰に起こりやすくなり、わずかな刺激に対しても筋肉が強く反応し、痙縮を引き起こすことがあります。
3.神経伝達物質の異常
脳や神経細胞の間で情報の伝達を担う神経伝達物質のバランスが、脳梗塞によって崩れることも痙縮の原因の一つとして考えられています。特定の神経伝達物質の過剰な放出や、受容体の感受性の変化などが、筋肉の緊張を高める方向に働く可能性があります。
4.脳の可逆性と間違った学習
脳には、損傷を受けた部分の機能を他の部分が補おうとする「可塑性」という能力があります。しかし、この回復過程で、意図しない動作パターンや、筋肉の過緊張が誤って学習されてしまうことがあり、それが痙縮として定着してしまうこともあります。
痙縮を放置することのデメリット
痙縮をそのままにしておくと、日常生活での不便さが増すだけでなく、以下のような更なる問題を引き起こす可能性があります。
・関節の拘縮が進む 筋肉の過度な緊張が長期間続くと、関節の動きが制限され、さらに動かしにくくなります。関節が固まって、固定されてしまうと、そこから和らげるのは困難になります。(関節拘縮)
・痛みが持続する 筋肉や関節に過剰な負荷がかかり、慢性的な痛みの原因となります。
・リハビリに影響する 意図した動作が難しくなり、リハビリの効果を十分に得られないことがあります。
・褥瘡のリスクがある 関節が固まることで、特定の部位に圧力がかかりやすくなり、皮膚のトラブルを招く可能性があります。
痙縮は適切なアプローチで改善が期待できます
痙縮に対しての治療法で有名なものには、ボツリヌス注射(ボトックス)があげられます。緊張した筋肉に対して、特殊な薬剤を注入することで、筋肉を弛緩させます。これは専門の病院で受ける事ができます。
当施設では、鍼灸とリハビリテーション、それぞれの専門知識と技術を融合させ、脳梗塞後の痙縮に対して独自のオーダーメイドなアプローチを行っています。鍼とリハのコンビネーションは、これまで受けたことが無い人が多く、新しい刺激としても効果が期待できます。
当院の痙縮に対する的なアプローチを紹介
1. 鍼灸治療:神経系の調整と筋緊張の緩和
長年の臨床経験に基づき、以下の鍼灸技術を駆使し、神経系のバランスを整え、筋肉の過度な緊張を緩和していきます。
・頭皮鍼 頭皮にある特定のツボを刺激することで、脳の機能回復を促し、筋肉への過剰な指令を抑制する効果が期待できます。
・醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)中国で発案された、脳卒中後遺症に対する伝統的な鍼治療法です。意識レベルの改善や運動機能の回復を促すとされています。痙縮に対しても、神経の働きを正常化し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
鍼治療は、血行促進や筋肉の柔軟性向上、自律神経の調整など、多角的な効果が期待できます。また、痙縮による痛みや、不快な症状の緩和にも繋がります。

2. リハビリテーション:川平法とボバース法
当施設の施術者は、脳卒中リハビリテーションの現場で知られている川平法とボバース法を実施します。どの方法を選択するかは、症状や、希望する目標によって変化します。
・川平法(促通反復療法) 日本発症の、脳梗塞後遺症の改善を目的とした手技療法です。 麻痺した手足の動きを、脳に再学習させることを目的としたリハビリテーションです。反復的に何度も動作を行う事で脳を刺激します。微弱な電気刺激との併用によって行う練習法もあります。眠っている神経回路を活性化させ、痙縮によって動きにくくなった手足の状態を改善へと導きます。
・ボバース法 脳卒中によって生じた麻痺や姿勢の異常に対し、神経発達学的な観点からアプローチするリハビリテーションの手法です。回復期病棟のリハビリでも積極的に取り入れられています。体の使い方の質を高め、日常生活動作の改善を目指します。痙縮によって制限された動きを正常化し、よりスムーズな身体の使い方ができるようサポートします。
これらのリハビリテーションは、単に動きを回復させるだけでなく、痙縮による異常な筋肉の緊張を抑制し、より 機能的で実用的な動作の獲得も目指しています。

このようなお悩みをお持ちの方へ
- 脳梗塞後、手足の突っ張りや動きにくさに悩んでいる
- 着替えや入浴など、日常生活動作が困難になっている
- リハビリの効果を感じにくくなっている
- 痙縮による痛みに苦しんでいる
- 保険診療のリハビリだけでは改善が見られないと感じている
- 専門的な知識と技術を持った施術者に相談したい
もしあなたが上記のようなお悩みを抱えているなら、一度専門の施設に問い合わせてみることをおすすめします。
ラボのリハビリ事例を紹介
痙縮の中でも、足の内反が強い事は大きな悩みです。
発症5年の方でもリハビリをすることで、内反が改善され、裸足で歩く練習ができるようになりました。
あなたの「できるようになりたい」を全力でサポートします
脳梗塞後の痙縮は、決して諦めるしかないものではありません。まだやれることはあるはずです。
当院は、あなたの「もう一度自分の力で動きたい」「家族に負担をかけたくない」という強い想いを実現するために、全力でサポートさせていただきます。
※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!
この記事を書いた人

矢澤 大輔 鍼灸師
修士号(医科学)取得
業界歴15年。入社以来主に鍼灸接骨院に勤務し、様々な痛みと向き合ってきました。リハビリラボでは開設以来鍼施術を担当しています。痛み、痙縮、痺れ、麻痺などいろいろな悩みに対して、鍼と手技でアプローチしていきます。体だけでなく、心の支えにもなれるよう関わらせていただきます。