膝の痛みの原因は軟骨だけじゃない!?意外と知らない膝の痛みの原因とは

2021.09.10
LINE友達追加はこちら

皆さんこんにちは。作業療法士の山下です。

今回は変形性膝関節症による膝の痛みの原因についてのお話をしていきます。

「膝の軟骨がすり減って膝が痛い!」

「膝に注射をしているのになかなか良くならない」

そんなお悩みを持った方は今回の記事を読めば膝の痛みの原因について詳しく知ることができます。

もし、膝の痛みの原因が今まで膝の軟骨がすり減って痛いと思っていた方にとっては別の治療法を選択するヒントになるかと思います。

今回は特に変形性膝関節症の初期症状の痛みを中心に話をしていきます。

私は作業療法士というリハビリの国家資格を持っており、7年ほど臨床の経験があります。

膝の痛みに関しては、これまで多くの学びと臨床を重ねてきました。

膝の痛みというのは軟骨から来ると信じ込んでいる方も多いです。

しかし、膝の痛みは軟骨からのものだけではなく、軟骨以外の組織から痛みを発していることの方が多いです。

この辺りを次から説明していきます。

膝の痛みと原因部位

膝と一口に言いましてもその中には様々な組織があります。

例えば、半月板であったり、内側側副靱帯などなど

この辺りはスポーツをやっている方など、比較的一般の方にも知られている部位だと思います。

変形性膝関節症の方でも半月板や内側側副靱帯由来の痛みが出ているケースもあります。

しかし、この辺りも比較的症状が進んでいるケースが多いです。

結論を申し上げますと、変形性膝関節症による膝の痛みの原因部位は下記のようなものが挙げられます。

・膝蓋下脂肪体

・半膜様筋付着部

・鵞足

・伏在神経

・内側半月板

・内側側副靱帯

今回は変形性膝関節症の初期症状でもある膝蓋下脂肪体と半膜様筋付着部由来の痛みについて話をしていきます。

専門的な用語でわかりにくかと思いますので一つずつ丁寧に解説していきます。

膝蓋下脂肪体:膝前面の痛み

まずは膝蓋下脂肪体の説明です。

膝蓋下脂肪体という言葉は一般的にはほとんどの方に知られていない言葉ですが、臨床上かなり痛みを出しやすい場所なので要チェックです。

場所としましては名前の通り膝の皿(膝蓋骨)の下の部分にあたります。

引用元:松戸整体クラブ 五香施術院 からだブログ

赤いところが膝蓋下脂肪体になります。

この部位の痛みの特徴としましては、神経が豊富に含まれているため重い痛みというよりかは鋭い痛みが膝の前面に出やすいです。

動作としましては立ち座りや階段の登り降り(特に降りる時)での痛みが出現しやすいです。

筋力は膝を伸ばす力が弱っているケースが多く、完全に伸ばしきれない人も中にはいらっしゃいます。

この膝蓋下脂肪体は膝が伸びている状態では前に出てきて、膝が曲がっている時には後ろに引っ込むという特徴があります。

なので膝を伸ばした状態ではこの部位を押さえると痛いけど、膝を曲げて押さえると痛くないという場合には膝蓋下脂肪体で痛みを出しているかもしれません。

またこの部位が固い人は特に痛みを出しやすいので触って確かめてみると良いかと思います。

これに対する治療法としましては膝蓋下脂肪体を柔らかくすることで、即時的に良くなる方も少なくありません。

柔軟性を獲得するエクササイズを続けていくと2週〜1ヶ月ほどで痛みがなくなってきます。

半膜様筋付着部:膝の内側の痛み

次は半膜様筋由来の痛みです。

また知らない言葉が出てきたという方もいらっしゃるかと思いますが、この部位の痛みも臨床上かなり多いです。

筋肉というのはほとんどが骨に引っ付いており、筋肉の両端は腱という組織になっています。

腱が骨を強い力で引っ張り続けていると痛くなりそうなイメージは湧きそうですよね?

それが半膜様筋という筋肉の腱が引っ付いているところで起こってきます。

一度場所の確認をしておきましょう。

赤丸の部分が半膜様筋付着部になります。

なぜこの部位に痛みが出てくるかと言いますと、下腿(膝から足首までの部分)が大腿(太もも)に対して外側にねじれているということが挙げられます。

そうすることによって半膜様筋腱が持続的に引っ張られて腱が引っ付いているところで痛みが出てきます。

動作としましては階段の登り降りや立ったり座ったり、また歩いている時にも痛みが出やすいです。

痛みの場所は先ほどの膝蓋下脂肪体での前面とは違い、膝の内側に痛みが出てきます。

筋力は伸ばす力が弱くなりがちで、可動域は伸ばすのも曲げるのも不足してきます。

治療法は半膜様筋が機能していないことがほとんどなので、半膜様筋を機能させてあげるようなエクササイズを行います。

セラピストが介入しながら行うエクササイズもありますが、自分で行えるエクササイズもあります。

例えば仰向けで膝を軽く曲げて、足の両側の親指をくっつけた状態でお尻上げをするのも有効です。

それでもうまく機能してこない場合は筋肉とその周りの組織がうまく滑っていない可能性も考えられます。

治療期間としましては2〜3ヶ月ほどで消失してきます。

変形性膝関節症の痛みは早めの対処が重要

今回の記事を読んで変形性膝関節症の痛みにも様々な痛みがあることがわかったかと思います。

変形性膝関節症の痛みも段階があり、先に述べたように膝蓋下脂肪体や半膜様筋由来の痛みは初期症状になります。

これらの痛みであればリハビリ適応内になります。

逆に言ってしまえば、これより進行し重度になってしまうと、手術が必要になってくるケースもあります。

そうならないためにも早めの対処が重要です。

少しでも膝の痛みが続くようなら整形外科など専門家にみてもらうと良いかと思います。

今回は変形性膝関節症の初期症状の痛みの原因について解説してきました。

膝の痛みは生活をする上でもかなりやっかいで、場合によっては仕事に行けなかったり、ひどい場合は立ち上がるのも一苦労というようになってしまう方もいらっしゃいます。

そうならないためにも早めの対処を心がけましょう。

早く気づけるためにも軟骨以外にも今回の膝蓋下脂肪体や半膜様筋由来の痛みがあることを知っておきましょう。

※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!

LINE友達追加はこちら