寝ているだけで筋トレが出来るとは本当ですか

2023.02.04

こんにちは。鍼灸師の矢澤です。

いつの時代も健康に関する関心は非常に高いですね。インターネット社会ではいろいろな情報が回り、何が正しいのか正しくないのか、判断するのも個人次第というところです。

将来年をとって、最終的にはピンピンコロリで亡くなるのが誰もの理想です。つまり、自分のことは自分でできる期間をいかに伸ばすかが、老後の幸せの一つと言っていいでしょう。

寝たきりと相関するのが筋肉量です。人はピーク時の筋肉量から30%低下すると寝たきりになると言われています。20歳をピークとすると、何もしなければ80歳になる頃には30%低下します。その年齢位から一人では歩けないといった症状が出てきます。

ではどうすればよいか?シンプルです。それは筋肉を動かして、筋肉量を増やすこと、または、筋肉量の低下を抑えることです。

今回はEMSといわれる電気で筋肉を刺激する機器の説明と、当施設で取り入れている楽トレについて説明します。

筋トレと聞いてどんなイメージが湧くでしょうか?

筋肉を増やす=筋トレをする。

筋トレとはどんなイメージでしょうか。ダンベルやバーベルを持ち上げる、または、腹筋や腕立てのような自重に対抗する反復運動を想像すると思います。これは間違いありませんし、筋トレの王道スタイルです。

ただ、寝ているだけで筋トレができるという夢のようなことができるのであれば、ぜひやってみたいですよね。

EMSとは

Electrical muscle stimulationの略で

和訳の通り、電気で筋肉を刺激するというものです。

人が体を動かすときは、脳からの指令が運動神経を介して筋肉に届き、電気信号によって筋肉が収縮します。つまり、EMSは機械を使って、電気信号を直接筋肉に流して、筋収縮を他動的に作ります。筋収縮を行うという点では自動も他動も同じ考えなので、運動効果が期待できます。

EMSで本当に筋肉が鍛えられるのか?

EMSで筋収縮が起こることは理解できました。

しかし、本当に電気刺激をするだけで筋肉が鍛えられることは可能なのでしょうか?

これに関しては、企業が関連する商品開発をする際に、大学との共同研究を行い、科学的根拠をだしている例があります。 一般の方でも購入可能なEMS機器で有名な商品は、京都大学や中京大学と共同研究されています。また、接骨院やサロンで使用している複合高周波EMS楽トレも、一定の評価をされています。また、慶応大学の研究論文もありました。この論文の内容では、ただ筋肉を他動的に動かすのではなく、筋損傷や筋力増加を伴う事が証明されています。

EMSの電気の種類(周波数)

EMSも電気の種類によって効果が変わってきます。そこで大事になってくるのが周波数です。周波数とは簡単に言うと1秒間に打つ波の回数です。Hz(ヘルツ)で表します。1Hzであれば1秒間に1回の波、5Hzであれば1秒間に5回の波になります。周波数は大きく3つに分けられます。次は周波数の違いによる効果について説明します。

低周波

1000Hz以下の周波数を低周波といいます。コリや痛みに有効で一般販売されている低周波機器は、だいたい200Hz以下で調整されています。皮膚表面で抵抗を受けるため、浅い部分での刺激がメインとなります。アウターマッスルに対しては一番効果的です。

中周波

1000Hz~10000Hzの間が中周波になります。低周波に比べて波が細かく、皮下3,4センチまで電気が到達します。筋肉運動は低周波に比べて引きおこりにくくなります。

高周波

10000Hz以上を高周波と呼びます。更に波が細かくなり、皮膚抵抗は全くありません。筋肉の収縮は起こりませんが、通電が皮下15センチ以上奥まで到達します。単独治療器では血管拡張や血流改善を目的としたものが多いです。

※複合タイプ 複合高周波

1Hz~5000000Hzで周波数を混ぜて通電します。皮下15センチまで届く高周波と、筋肉運動を引き起こす低周波を混ぜることで、深部のインナーマッスルの運動が可能です。実際にエコーで観察すると、インナーマッスルの運動が観察されています。

機器の紹介

一般的に使用されている代表的なEMS機器を少し紹介します。周波数からどのような効果があるか想像してみてください。

リンクを張っておきますので、興味のある方は進んでみてください。

シックスパッド 低周波 20Hz

アブトロニックX4 低周波 1Hz~100Hz

VアップシェイパーEMS 低周波+中周波 200Hz~5000Hz

楽トレ 低周波+高周波 

どれが一番自分に合っているのか?

どの機器の使用が一番良いのか?と言われた場合、何を目的としているのか?ということが一番重要となります。使用する目的は、痛みの軽減、リラクゼーション、表面筋の強化、インナーマッスル強化など多岐に渡ります。その目的に合わせて、先に述べた周波数を選択して機器を使用していきます。

楽トレの導入

リハビリラボも期間限定でEMS機器を導入しました。目的としてはインナーマッスルの強化です。

我々の脳卒中患者さんに対する治療方針の一つに、姿勢の改善があります。

正しい動作は正しい姿勢から。これは健常者でも脳卒中患者さんでも同じです。

病気により体幹の筋力が低下して、不良姿勢になることで、歩行の乱れや、上半身の使いづらさが助長されてしまう例が沢山あります。もちろん体幹強化の指導を行い、施設内や自主トレとしてやって頂いていますが、加齢や麻痺が強いと強化トレーニングができないことがあります。

そんな方々でも、楽トレで体幹強化ができれば、リハビリにフィードバックすることができます。

楽トレとは

先述した、複合高周波を使用しています。低周波から高周波を組み合わせた、ダブルインパクト波形で特許をとっています。楽トレはどの機器よりも高い500,000Hzを使用していることで深部まで届くことができます。実際に腸腰筋などのインナーマッスルを強化できることが、学術的にも証明されています。接骨院やサロンで導入しているところも多く、実際に効果を上げていることからも信頼できます。

楽トレの効果は

1回のトレーニングは30分。

30分行うことで、9000回分に相当する筋収縮運動を引き出します。

筋トレと同じなので2回~3回/週が目安です。

楽トレの効果を最大限引き出すために、食事や日常運動を指導していきます。

最初は、眠っている筋肉が引き起こされるため、動きやすくなった、痛みが減ったなどの効果を実感します。実際に筋肉量が増え始めるのは6週間以降になります。

この記事を書いた人

矢澤 大輔 鍼灸師

修士号(医科学)取得

業界歴15年。入社以来主に鍼灸接骨院に勤務し、様々な痛みと向き合ってきました。リハビリラボでは開設以来鍼施術を担当しています。痛み、痙縮、痺れ、麻痺などいろいろな悩みに対して、鍼と手技でアプローチしていきます。体だけでなく、心の支えにもなれるよう関わらせていただきます。

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