リハビリの万能薬

2022.04.16

皆様こんにちは。理学療法士の松浦です。
前回、ブログにて自己紹介をさせて頂いた際に訪問リハビリに勤めていたとお話しました。

今回はその訪問リハビリでの利用者様で印象に残ったエピソードを話していきたいと思います。

「ねえ聞いて!昨日手が叩けたよ!」

2ヶ月ほど訪問に行かせて頂いているAさんから訪問して挨拶をした後の第一声でした。

Aさんは脳梗塞になり片麻痺になってしまい、腕の筋肉が弛緩してしまい力がうまく入らない方です。

訪問リハビリでの希望は「まずは安全に家で生活できること。できたらおこた(こたつ)に入りたい。」で、手のリハビリはしてきませんでした。

ー 大切な2つのポイント ー

それはイメージ続けることです。

「なんだイメージか。」そう思った方もいらっしゃると思います。
『イメージ』と『続ける』この2つが脳卒中の回復にとても大切になるのです。

今回のAさんについて詳しく説明していきます。

Aさんは訪問リハビリとは別にデイサービスも利用されていました。
デイサービスでは入浴メインで入浴以外の時間では集団でのレクリエーションを行なったりと個別でやることは少なかったとのことです。

そんな中、レクリエーションの際にはある決まりがありました。

高順位や好成績を収めた人に「みんなで大きく拍手をする」です。

Aさんは片手が麻痺で動かないので拍手はうまくできませんでした。

「みんなができているのに私は拍手できない…」

とても悔しくやるせなく思ったとのことです。

そんな悩みを訪問リハビリ中に受けた私はある方法をお伝えして約束をしました。
それは、できなくてもいいのでイメージをしながら拍手は続けるです。

膝の上に手を置いた状態でもいいので腕を持ち上げて両手で拍手をするイメージをしながら拍手をする。
そうすることで実際に腕を持ち上げて拍手することができました。

1.『イメージ』

イメージとは心に浮かべる姿や像のことを言います。

脳卒中でのイメージトレーニングはとても大切なことです。
脳梗塞、脳出血により脳の神経細胞は傷ついてしまい、うまく脳細胞からの信号が神経を伝わらなくなってしまいます。

傷ついて破壊されてしまった神経細胞は回復するのは難しいですが、周りの神経細胞たちが新しく神経の道を再形成して再び神経回路を形成してくれます。

これを神経の可塑性といいます。可塑性を促すためには繰り返し動作を反復することが大切です。

リハビリで繰り返し動作を行うのもこれが理由です。

しかし、実際に動かすことが難しい場合はどうしたらいいのか。

それは、「イメージトレーニング」です。

ー イメージトレーニングがなぜいいのか ー

イメージトレーニングとは自分が行いたい動きをイメージすることです。
イメージをすると実際に動いたようにその動きに必要な部位の神経が再接続されていきます。


具体的に今回であれば「拍手をする」ことをイメージすることで、拍手に必要な脳の神経が刺激をされます。
その刺激を繰り返し脳に与えることで神経は再接続されて動き始めるのです。
何よりもイメージトレーニングがいいのは疲れないことです。


「片方の動かなくなった手足を自主トレで動かそうとすると5回でも疲れてしまう…」
「自主トレは教えてもらったけど、えらいし、痛みが出てしまう事もあるから続かない…」

そんな人にはもってこいでしょう。

⒉『続ける』

2つ目は『続ける』ことです。前回のイメトレの「何度も繰り返し」の部分に当てはまります。
続けることはとても大変です。


「その日はやる気でも次の日にはやる気はない。」なんて良くあることです。
あなたの生活に習慣化してしまえば続けることはとても簡単ですが、その習慣化までが難しい。


ですが、安心してください。わざわざ新しく自主トレを習慣化しなくても良いのです。
今ある生活で必ず行なっていることにプラスしてイメージするだけでいいんです。

具体的には今回のAさんは週に何回かデイサービスを利用していました。
そこで拍手することは習慣であり、ルールという決まりだった。
そんなルールに新しく「拍手を上手にできているイメージをする」というのを追加したのです。

何でも良いのです。
家の中で普段やっていることで大丈夫です。
「ご飯を食べる」、「お風呂に入る」、「寝る」などはすでに習慣化されたものだと思います。

『茶碗を持つ』ことをイメージしながら手を添えてみる。
『浴槽を跨ぐ』ことをイメージしながら腿上げをしてみる。
『寝る』前にやりたい動きをイメージしながら動かしてみる。

まずはそれだけで大丈夫です。

最後に

「やろうと思ってもどうやってやったらいいか分からない。」
大丈夫です。今通っているデイサービス、利用している訪問リハビリ、入院している病院。
そこにいる理学療法士、作業療法士さんに聞いてみてください。
きっとあなたの万能薬を一緒に考えてくれると思います。

私も、当施設で皆様の体がもっと動きやすくなるよう一緒に万能薬を考えていきます!

皆様の中で「動きやすくなりたい!」、「万能薬を教えてほしい!」
という方がいましたら是非!

一緒に万能薬を考えていきましょう!