こんにちは。鍼灸師の矢澤です。
Q はりって何ですか?
はり治療については知らない方がほとんどで、どんなものか気になる方は多いようです。
脳梗塞リハビリにおいて、入院中に必ず経験するリハビリは理学療法や作業療法になります。
一方で、はり治療を経験したことがないという方は沢山いらっしゃいます。それゆえに、はりに対して大きな期待をもってラボに来られる方もいます。はりってどんなものなのでしょうか?とても簡単に、そしてかなり私的な考えを混ぜて説明したいと思います。
はりを打つ人の事をはり師と言います。鍼灸師と言われることもありますが、これははりの免許と灸の免許を2つ持っていますという呼び名です。一緒に試験を受けることができて同時に合格する人がほとんどなので、鍼灸師という肩書になります。
はり師の方は「鍼」という漢字をはりとして使用します。「針」こちらのはりは使用しません。理由はなんでしょうか?説明できる人はあまりいないと思います。利用者さんからしてもどうでもいいと思いますので私もこだわってはいません。
歴史は?
はり治療はどれくらいの歴史があるのでしょうか?発祥は中国で、2000年以上前にはこの技法が広まっていたという文献があるようです。2000年以上前であれば紀元前になりますね。歴史についてはほとんど忘れてしまっているのでいつの時代かはわかりません。しかし、民間療法としての使用はもっと古いと思います。体の内外に痛みがあった際に、当時の人たち?人類?が先の鋭利な石のようなものをあてがっていた事を想像しています。今でも何かに体をぶつけた際に痛みを感じると、無意識のうちにさすったり押したりしています。私たちの本能の中に、痛みがあったらそこに何かを当てるというDNAが組み込まれているのでしょう。
そうしたものが、中国で派生し、奈良時代になると日本にやってきました。日本でも1300年程の歴史があります。そこから日本独自のはり治療の技術が生まれていきました。
根拠は?
何で効果があるのですか、その根拠?
これに関しては少しずつではありますが、(日本の研究ではありませんが)科学的な根拠が示されてきています。はりを体内に刺入する物理的刺激が、体のいろいろな反応を引き起こし、鎮痛に貢献しているようです。はり文化が続く限り永遠のテーマとして、科学的根拠はこれからも取り組んでいく事柄だと思います。
もう一つの視点から根拠があるとすれば、長い歴史の中で、このように民間療法として生き残っている事が根拠だと思います。現在は全世界ではり治療が行われています。科学的な指標だけでなく、歴史という視点からの根拠がはり治療の強みです。
脳卒中のはり
ラボではり治療を行ってきた中で感じている事をお伝えします。
はり治療と理学療法を一緒に行うことではりの効果が最大限に発揮される。
ここに来られる方は、急性期回復期を過ぎて、症状固定されたとした方々がほとんどです。
そういった方々の痙縮を取り除く、動かないものを動かす、シビレを取り除く、といったことは正直手ごわいと感じています。(経過日数が浅い、症状が固定されていない場合は別)しかしそのような方でも、はりをすることで、「動かしやすい」「可動域が広がる」「痛みがとれた」ということは大いに可能です。そうです、そうなった時こそ理学療法の出番です。動かしやすくなった体、可動域が広がった体、痛みがとれた体で理学療法をすることによって最大限のパフォーマンスでリハビリを行うことができます。結果として効率のよい動きが可能となり、体が良くなっていきます。
脳卒中リハのはりと聞かれれば、
理学療法の効果を最大に発揮させることができる、相性の良い治療法です。
と今のところは答えさせていただいていおります。
私もまだまだ未熟者なので、達人と言われるはり師の方はもっとすごい効果を上げているかもしれません。
そういった技術を獲得できるように精進してまいります。いちどお試しあれ。
※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!