装具についてVol.3

2021.09.02
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皆さん、こんにちは。理学療法士の杉山です。

早速ですが、前回は装具のメリットをお伝えしましたので、今回はデメリットについて

お伝えします。

装具

この内容はなかなか伝えてもらえないことではないでしょうか。

デメリット

①装具に対して依存しすぎてしまう

②使用者自身ではいつまで装具をつけているべきなのかがわからない=専門知識を持っていない

③床から伝わる足の裏への感覚が遮断されてしまう⇨足部の廃用(不使用による機能の低下)などにつながるケースがある

④浮腫みやすくなる

⑤正常歩行の獲得はできない(正常歩行を目標としている人にとって)

⑥見た目の問題

他にもあると思いますが、私が使用するかどうかの基準で重要としていることは以上になります。

①装具に対して依存しすぎてしまう

入院してすぐに装具を使用し始め、自分の足で立つという感覚を経験していない方は依存しやすい印象です。

「装具があると安心」

決して悪いことではないのですが、本来持っている自分の能力を妨げている可能性があります。

装具がなくてもできる可能性を持っていたとしても、装具が外れたことによる恐怖心により

体が強張ってしまい、本来の能力を出せないことがあるのです。

②使用者自身ではいつまで装具をつけているべきなのかがわからない=専門知識を持っていない

専門的な知識を持っている方は少ないため、細かい内容までは理解することが難しいです。

しかし、多くの場合、装具を使用することのメリットは伝えられますが、

デメリットを伝えられることは少ないのではないでしょうか。

その結果、

何がどうなったら装具を軽いものに変えられるのか、装具を外すことができるのか

判断することができず、担当の療法士の技量、考え方に左右されてしまいます。

担当の療法士が頑なに装具を使用することを勧めてしまえば、いつになっても外すことができなくなるのです。

※しっかりとした理由による装具の使用かどうかを聞いてみましょう。セカンドオピニオンも一つの手です。

③床から伝わる足の裏への感覚が遮断されてしまう⇨足部の廃用(不使用による機能の低下)などにつながるケースがある

これは療法士にとっての最大の懸念材料ではないでしょうか。

床から伝わる情報と装具による安定とを天秤にかけることが非常に多いです。

足の裏は感覚をたくさん取り入れる部分となっています。

また、立っているとき、歩いているときというのは、私たち人間が地面と接している部分は足の裏だけなのです。

そして重力に抗うためには、床から足に伝わるエネルギーが必要です。

そのため、本当に足の裏の活動は重要となってきます。

④浮腫みやすくなる

③の理由も関連しているものですが、足首の動きを固めてしまうことで、足部の循環を悪くしてしまう可能性があります。

足部にある筋肉は小さい筋肉であり、それは体重が乗って重心が移動することで働くことが主となっています。

装具を使用することで小さな筋肉の活動はなくなり、循環が悪くなってしまいます。

⑤正常歩行の獲得はできない(正常歩行を目標としている人にとって)

人間の身体は複数の関節が同時に、もしくは時間差的に動くことで正常に動くことができます。

特に歩くことにとって、足首の動きは大変重要になりますが、

装具を使用することでその関節を制限してしまうため、

正常の歩行はできません。

※断言します。

例えば、装具を使用することで足をまっすぐ前に向けた状態で体重を乗せることが難しくなります。

なので、多くの方々は足が外に向いている(ガニ股のようになっている)ことが多いのではないでしょうか。

その結果、歩行ではぶん回しやガニ股のような歩き方になることもあります。

装具を使用しても正常に近い歩行、もしくは効率的な歩行はできます。

しかし、

ぶん回しの歩行を治したい

しっかりと足をまっすぐにして歩きたい

などの目標がある方にとっては、装具があると叶えられない目標となるのです。

⑥見た目の問題

若い方、女性の方は装具が見えることに消極的であることが多いです。

今では、装具にあった靴がありますが、オシャレをしたい方にとっては、それが最善とはなり得ません。

装具を小さいものにする、サポーターに変更する、装具を外す

ことができれば、オシャレもできるようになるのです。

以上のように、装具のメリットだけでなくデメリットに関しても

自分自身で理解しておくことで、身体の使い方が変わるきっかけとなります。

装具については協会で調べてみましょう。

出典:公益社団法人:日本義肢装具協会

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