皆さん、こんにちは。理学療法士の杉山です。
装具の話も、今回で第4回となります。
今までは、装具の種類や、メリット・デメリットなどをお話ししてきました。
今回は、
装具を外すために必要なこと
についてお話しさせていただきます。
復習から
まずは、復習です。
一般的に、装具の素材の強度は、金属>カーボン>プラスチックの順で弱くなっていきます。
そのため、強度の強い金属装具から一気に装具なしに移行するよりも
段階的に強度を弱くしていき、最終的に装具なしになることが望ましいです。
例)金属→プラスチック→サポーター→裸足
ただ、段階的に変えていくことは病院などの大きなリハビリ施設では実施することができますが、
退院後のデイサービスや保険外リハビリでは難しいのです。
では、どうするか。
そこが我々、療法士の腕の見せ所となります。
装具を外すために必要なこと
装具を外すために達成しているべきこと としましては、
①膝が折れないこと
②膝が弓なりにならないこと
③足首が地面についているときに捻れていないこと
④歩くときにつま先が引っかからないこと
この4つは最低限達成している必要があります。
なので、まずリハビリではこの4つが現れないように姿勢を整え、筋肉の使い方を覚え、
筋力を強くしていくことを目指していきます。
ここで重要なことは、筋肉の使い方を覚えることです。
装具を使って生活をしていると、装具を使った時の筋肉の使い方だけを覚えてしまうため、
装具なしで生活をするために必要な筋肉の使い方、姿勢の取り方を身につけることが困難です。
そこで、リハビリで装具を外した状態で、どのように体重をかけると良いのか、その時の姿勢はどのようなものがいいのか
その人その人に合った方法をお伝えし、身体に少しずつ染み込ませていきます。
この方法が療法士によって異なるため、リハビリ内容は十人十色になります。
筋肉の使い方とは
筋肉の使い方は大きく分けて2つあります
(1)意図的に使う方法
(2)自動的に使っている方法
(1)は筋トレなどの動きを指します。
ダンベルを持って二の腕を太くしたいときに行う方法は、意図的に腕を曲げる動きをしていますよね。
(2)の自動に使っている方法とは、
実は、このダンベルを腕で持ち上げているとき、体幹やお尻などの筋肉も働いています。
多くの筋肉が自動的に働いているおかげで身体が傾くことなく、ダンベルを持ち上げることができるのです。
意図して動かしている筋肉は腕ですが、自動で働いている筋肉がたくさんある ということですね。
(1)の意図した筋肉の動きでは、筋力の強さが重要となることが多いです。
なので、筋トレをたくさんすることをお勧めします。
それと比べると、(2)の自動的に働く筋肉は筋力の強さよりも、
筋肉の使われ方(=勝手に筋肉が働くように整えること)
が大切となるのです。
つまり、(1)と(2)ではアプローチ方法が大きく異なってきます。
そして、装具を外すためには、(1)も(2)もどちらの働きも重要です。
どのような働きが必要かは、人それぞれ異なりますので、
気になる方は療法士に尋ねてみてください。
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