脳梗塞のリハビリで接骨院を考えている方へ

2023.07.08

脳梗塞後遺症のリハビリを目的として、整骨院に通っている人、通おうとしている人はたくさんいらっしゃいます。そういった方々に向けて、接骨院受診の注意点とリハビリ内容についてお伝えします。

接骨院の役割

接骨院の施術はどんなイメージをお持ちでしょうか?保険を使った施術が受けられると真っ先に思い浮かんだ方は多いと思います。

一般的な接骨院(整骨院、ほねつぎ)は保険を使った治療を受ける事ができます。

ただし、保険適応になるためには条件があります。

骨折、捻挫、脱臼、打撲、挫傷といった症状で、発症してから2週間位が目安となります。

ここに関しての条件は年々厳しくなってきています。発症した原因がはっきりしていることも必要です。

よって、上記以外で、慢性的な痛みや痺れなどに関しては保険適応外となります。その場合、全額実費負担となりますので注意が必要です。

近年では、姿勢改善や体幹筋力強化といった、保険診療以外での自費診療に力を入れている接骨院も多くあります。痛みの改善、痛みの予防、痛まないからだづくりなど、その時々の体の状態に合わせたメニューを提供しています。

リハビリの定義

リハビリテーションとは

怪我、病気、障害などによって身体的または精神的な機能が制限された方々が、その機能を最大限に回復させるための総合的な治療プロセスです。身体的、精神的、社会的に元の自分に近づけ、自立した生活が送れるようにすることを目的としています。

病院で行われる、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー等が、チームとして行うリハビリテーションはイメージが付きやすいと思います。これはいわゆる狭義でのリハビリテーションになります。広義でのリハビリテーションは、医療で行うものだけではありません。障害を抱えた方が自立できるようサポートする様々なサービスがリハビリテーションに組み込まれてきます。

接骨院のリハビリは保険適応なのか?

接骨院での施術行為は広義のリハビリテーションとしてとらえる事ができます。痛みの除去、可動域の回復、痛みの予防、筋力強化など、障害を抱えた方の身体をケアし、よりよい生活が送れるようにサポートします。

では、脳梗塞後遺症の施術に保険が適応できるかという点を説明します。後遺症である痛み、痺れ、痙縮等は発生から数か月以上が経過している事が多く、慢性的な症状となります。保険適応の条件に照らし合わせると、脳梗塞後の後遺症に対して保険適応はできないことになります。こういった症状を軽減させるために接骨院へ行っても、問診の結果、保険適応できなかったというケースが沢山あります。しかし、日常生活を送るうえで、後遺症が原因で起こしてしまった怪我は保険適応可能です。例)転倒してけがをした。装具の具合が悪く痛みが出た。杖を使っていて肩に痛みが出た。等

脳梗塞後遺症に対する接骨院のリハビリ

では、脳梗塞後遺症をまったくみてもらえないかといえばそういうことはありません。

多くの接骨院は保険診療に加えて一部自費診療を取り入れています。慢性的に続く症状に関しては自費負担で施術を受ける事が可能です。リハビリの適応内容に関しては、

① 痛み、痺れ、拘縮、痙縮、筋緊張等の軽減

② ゆがみやズレの改善(※片麻痺によるゆがみは不可)

③ 体幹筋力強化による、動作の安定性の改善

④ 鍼灸接骨院の場合は鍼灸治療

注意したいのは、接骨院に勤務する柔道整復師は脳梗塞に対する専門職ではありませんので、知識や経験に差があると思われます。また、機能的に回復させたい(例ぶん回し歩行を治したい。手を使えるようになりたい)場合は専門外になりますので、理学療法士作業療法士の出番になります。リハビリテーション科のある外来に受診するのが一般的です。

最後に

今回は脳梗塞後遺症で接骨院にかかる際の注意点をお伝えしました。

今現在通院を考えている方は、一度最寄りの接骨院へ相談してみてください。

※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!

この記事を書いた人

矢澤 大輔 鍼灸師

修士号(医科学)取得

業界歴15年。入社以来主に鍼灸接骨院に勤務し、様々な痛みと向き合ってきました。リハビリラボでは開設以来鍼施術を担当しています。痛み、痙縮、痺れ、麻痺などいろいろな悩みに対して、鍼と手技でアプローチしていきます。体だけでなく、心の支えにもなれるよう関わらせていただきます。