脳梗塞後遺症で障害年金を申請する

2023.08.04

脳梗塞や脳出血になると、後遺症によってさまざま身体的不自由が生じてしまいます。

生活や仕事に支障が出てしまう程の身体的制限が生じた場合、公的なサービスを受ける事ができます。その一つに障害年金があります。そのためには、制度の仕組みを知る事と取得するために自ら行動することが必要です。

何らかの障害を持っている方は全国で1000万人弱いるといわれています。その中で障害年金を受けとっている方はその数の1/4になります。障害年金を受け取るには様々な条件はありますが、受け取る必要のある方がその制度を知らないため受け取れていない。という現状もあります。脳梗塞後遺症で特に現役世代の方は知っておく必要があります。

この記事を読めば、障害年金について知ることができます。

5分もかかりませんのでお付き合いください。

身体障害者手帳とは

身体的、精神的障害になってしまった方が受け取れる障害者手帳には以下の3つの種類があります。

① 身体障害者手帳

手足、視覚、聴覚、臓器などに障害のある方

② 精神障害者手帳

統合失調症、うつ病、てんかん、高次脳機能障害、発達障害などの特定の精神疾患にかかる方

③ 療育手帳

知的障害のある方

脳梗塞患者さんに多い、①について説明していきます

障害の種類によって1級~7級の等級に分けられます。1級が一番重い状態で、7級に近づくにつれて軽くなっていきます。※実際は7級単独での交付はなく、6級から手帳が交付されます。

等級における詳しい体の状態は厚生労働省のHPを参照してください。厚生労働省出典「身体障害者障害程度等級表」

脳梗塞の後遺症は様々な場所に出現しており、出ている部位によっても認定基準がことなります。最終的には診断書から等級が決定されますが、これまでの例を参考にすると

片麻痺で上肢下肢が全く動かない状態、車椅子生活…1級

歩行は可能だが片方の上肢が全く動かない…2級

片麻痺で上肢下肢がわずかに動く…2級

障害年金とは

病気やケガ、または精神的な原因で、生活や仕事などが制限されるようになってしまった場合に受け取ることができる年金です。高齢者が受け取る老齢年金とは違い、現役世代でも受給することができます。

障害年金の種類は2種類あります。

① 障害基礎年金

該当する病気やけがで最初に医師の診療を受けた際に、国民年金に加入していた場合

② 障害厚生年金

上記同じ条件の際に、厚生年金に加入していた場合

障害年金を受け取るための条件として以下のものがあります。

・障害の状態が、認定基準に達している事

・初診日の前日までの保険納付状況が、一定基準を満たしている事

・20歳~65歳未満である事

障害の状態としては、前述した障害等級表を基準として、障害基礎年金では障害者手帳1級または2級に該当している事。障害厚生年金では1級2級3級に該当している事が条件です。

もらえる額は

障害年金を受け取ることができるようになった場合、年額で規定されています。

障害基礎年金 1級 993,750円 +子供の加算

       2級 795,000円 +子供の加算

障害厚生年金は障害基礎年金に上乗せする階段方式

障害厚生年金 1級 993,750円+子供の加算+(報酬比例の年金額×1.25)+配偶者分

       2級 795,000円 +子供の加算+(報酬比例の年金額)+配偶者分

       3級 報酬比例の年金額 (最低保証額596,300円)

※障害手当金厚生年金加入者は基準以上の等級でも条件を満たせば一時金として障害手当金を受け取ることができます。

※子供の加算 2人目まで228,700円 3人目から76,200円 配偶者分 228,700円

障害厚生年金の報酬比例分は、収入が多いほど、加入している期間が長いほど額が増えます。

最後に

障害を持たれた方に対して、障害年金は無くてはならない制度です。しかし、知られていない、手続きが難しい等で資格があっても受け取れていない方がいます。また、一度申請して不支給になった場合あきらめてそのままにしているケースもあるようです。

申請場所は住所地の市区町村の役場に窓口があります。申請は1人で行うことができます。ただ、何かと煩雑な事が多いため、障害年金相談センターや、社労士事務所に相談することをおすすめします。プロである社労士の助けをかりることができるため、スムーズに進むことがあります。

※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!

この記事を書いた人

矢澤 大輔 鍼灸師

修士号(医科学)取得

業界歴15年。入社以来主に鍼灸接骨院に勤務し、様々な痛みと向き合ってきました。リハビリラボでは開設以来鍼施術を担当しています。痛み、痙縮、痺れ、麻痺などいろいろな悩みに対して、鍼と手技でアプローチしていきます。体だけでなく、心の支えにもなれるよう関わらせていただきます。