装具についてVol.2

2021.08.26

皆さんこんにちは。理学療法士の杉山です。

連日続いていた雨も止み、再び猛暑日が続きそうな予報となっています。

熱中症には十分に気をつけて、水分補給をこまめに取り入れてください。

さて、前回は

装具の種類、素材、角度調整

どのような人が装具を使うのか

について説明しました。

今回は

装具のメリットとデメリット

について説明していきます。

特に、退院してからも生活で使う短下肢装具についてお話ししていきます。

※短下肢装具とは、覆われている部分が膝より下の装具のことを言います。

短下肢装具

装具のメリットとデメリット

装具のメリット

①膝関節のコントロールを補助する

②足首が下がらないようにする・捻れないようにする(内半抑制)

=歩いている最中につま先が引っかからないようにする・捻挫しないようにする

③重心の位置が落ちないように補助する

④足首が下向きで固まらないようにする

この4つを理由に使用されている方が多いのではないでしょうか。

総じて言えることは、

動作を行いやすくするため、介助量の軽減を図るため

ということになります。

それでは、一つずつ簡単に説明していきますね。

①膝関節のコントロールを補助する

あれ?装具って膝より下までの長さなのに、どうして膝のコントロール?

と思った方!素晴らしいです!

確かに、装具で動きを止めている関節は足首になります。

それなのに、なぜ膝のコントロールにつながるのか。

一度、自分で足の屈伸運動をしてみましょう!

すると、膝の曲げ伸ばしに合わせて足首も前に倒れたり後ろに戻ったりするではありませんか!

そう!人間の体は一つの関節が単独で動くことは少なく、連動して動くのです。

つまり、足首を装具で固定することで膝の動きを制限することになります。

その結果、膝折れ(膝がガクッと曲がってしまう)や反張膝(膝が弓なりのように伸び切ってしまう)を防ぐことができるのです。

②足首が下がらないようにする・捻れないようにする(内半抑制)

=歩いている最中につま先が引っかからないようにする・捻挫しないようにする

これを理由に装具を使用している方も多いのではないでしょうか。

病院を退院して生活を送っていく中で、気をつけないといけないことの一つとして転倒が挙げられます。

つま先が引っかかったり、足首が捻れることで転倒につながりやすく、

転倒により骨折

なんてことにならないように装具を使用して未然に防ぐのです。

③重心の位置が落ちないように補助する

これは①②を合わせた理由です。

装具を使用せずに立つことで、膝が曲がったり伸びきってしまう方は、

麻痺していない足と比べ、麻痺した足の長さが短くなってしまいます(実際には短くなっているわけではありません)。

その結果、足の左右差を身体の別の部分で補おうと歪みが生じ、

足だけでなく腕も動かしにくくなってしまう

なんてことが多々あります。

そういったことを防ぐために装具を使用します。

④足首が下向きで固まらないようにする

こちらに関しては、歩く、立つといった動作が少ない方々に当てはまる理由です。

座って生活する時間が長い方は足首に体重が乗る機会が少ないため、足首の筋肉が次第に硬くなり、

関節の動きが悪くなっていきます。さらに足首が下向きに固まりやすくなります。

足首が下向きで固まってしまうと、トイレやベッドに乗り移りする際に麻痺足に体重が乗りにくくなってしまいます。

そのようなことを防ぐために装具を使用します。

装具を使用することでのデメリットについて もこちらで説明しようと思いましたが、

思ったより長くなってしまいそうなので次回説明することにします。

装具については協会で調べてみましょう。

出典:公益社団法人:日本義肢装具協会

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