脳梗塞でも自宅でできる簡単リハビリ方法

2023.04.22

脳梗塞を発症すると、手足が動かしにくくなったり、言葉が出にくくなったりと、様々な後遺症が残ります。
病院に入院している時は365日、毎日リハビリがありましたが、自宅に戻るとリハビリ時間は極端に減少してしまいます。
手足の機能回復にはリハビリは必要不可欠と言われているため、いかに自宅でリハビリができるかが、後遺症改善のカギになります。
自宅でも簡単にできるリハビリ方法をいくつかまとめましたので、これを読んで日々のリハビリメニューに加えて実践してみましょう!

自宅でリハビリをする目的

これは脳梗塞で動きにくくなった手足や身体の身体機能維持と改善が目的になります。
正しい方法で運動を行えば悪化を予防することができ、適切な負荷量でリハビリを行えば後遺症の改善も行えます。
まずは、自分がどのような目的でリハビリをするのかを考えて、それに合ったリハビリ方法を選択していきましょう。

リハビリの種類

リハビリの種類はいくつかあります。それぞれ簡単に解説をしていきます。

関節可動域訓練

関節の曲がりや伸びの可動範囲の維持と拡大を狙います。パーキンソン病の方は特に関節可動域が狭くなってしまうことが多いため、積極的に取り入れます。

筋力増強訓練

脳梗塞で半身麻痺になると必ずと言っていいほど、筋肉は落ちてしまいます。落ちてしまった筋肉を取り戻すためにも適切な強度で運動をすることで筋肉を強化していきます。

体力強化訓練

身体の持久力をつける訓練になります。身体を動かすことですぐに疲れてしまう場合や、「歩く距離を伸ばしたい」と言う方は良い訓練になります。

日常活動動作訓練

家で行う活動の訓練になります。食事や入浴、料理、洗濯から、畑仕事など生活で行う動作はこれになります。より実践的な運動を行いたい方は良い訓練になります。

言語機能訓練

言葉のリハビリになります。うまく喋れない方や、嚥下機能に障害のある方はこちらになります。症状によってリハビリ方法は多岐にわたります。

リハビリで必要な道具と環境

今回は日常生活訓練以外の訓練で必要な道具と環境を3つ厳選してお伝えします。

ベッドまたは椅子

安全に座れる場所を作りましょう。高さが調節できる昇降ベッドは使いやすく、難易度設定がしやすいです。

また、椅子はキャスターが付いていないものを選ぶと安全に練習が行えます。

タオル

細かな高さ調節や、固い机に手を置く際のクッションなど、様々なシチュエーションで使えます。

手すりや壁

運動をする時に安全な場所で行えるよう、支えになる手すりや壁の近くで行いましょう。また、ちょうどいい高さのタンスやキッチンカウンターなどもおすすめです。

自宅での自主トレ内容

今回は「上肢」「下肢」「体幹」に分けて解説していきます。

上肢

【肩回し】

①自分の肩を触ります。(触れられない場合は無理に触れなくても大丈夫です)

②肘で大きな円を描くように回します

※肩甲骨をしっかりと背骨の方に引き寄せることがポイント

③前回し・後ろ回しを10回ずつ行います

【肘のばし】

①手を組みます

②肘がしっかりと伸びるように前に組んだ手を伸ばしていきます

③曲げ伸ばしを20回行います

【手のひらかえし】

①机の上などに肘から先を乗せます。(机が固くて痛い場合はタオルなどを下に引くと良いです)

②手のひらを上むき、下向きと交互に腕を捻ります

③20回手をかえします

※自分でできない場合は反対側の手で手伝ってあげましょう

下肢

【アキレス腱伸ばし】

①立った状態で足を前後に開きます

②支えにする手すりや台に手をついてアキレス腱を伸ばしていきます

③10秒間伸ばすのを左右10回ずつ行います

【お尻上げ】

①ベッドで両膝を立てます

②手はお腹の上に置いて両足で踏ん張ってきます

③10回を1セットとして2セット行います

※お尻を上げすぎて背筋に力が入り過ぎないように注意

【立ち上がり】

①椅子に座ります

②身体の中心を意識して真っ直ぐ立ちます

③10回を1セットとして2セット行います

④挑戦できる方は麻痺側を後ろに引いた状態で立ち上がりを行います

※麻痺側のももやふくらはぎに力が入っているか確認しながら行ってみましょう

体幹

【身体を丸める】

①手をみぞおちに添えます

②みぞおちを中心にお腹と背中を丸めてきます

③10回行います

【左右の体重移動】

①ベッドや椅子などの安定した場所に座ります

②左右のお尻の骨へ交互に体重をかけてきます

③10回ずつ交互に体重移動を行います

家族や介護者のサポート

1人でどうしてもできない場合や、サポートをする場合は本人さんの動きに合わせて運動をサポートしてあげることが大切です。

無理やり引っ張ったり、曲げたりすることで関節や筋肉を痛める可能性がありますので、注意してください。

少しずつ動かせる範囲も広がってきますので、痛みのない範囲から徐々に運動の範囲を広げるサポートをしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここに記載している内容は簡単なものばかりではありません。しかし、どの運動も動きの基礎になる運動ですので、自宅でしっかりと行うことで効果は出てきます。

それぞれの運動で自分の鍛えたい部分をかいつまんでやってみても良いですね。

上で紹介したリハビリ方法も鍛えたい項目によって意識する部分は変化してきます。
関節可動域であれば筋肉がストレッチされる感覚を感じながら行うことで効果は出てきますし、体力をつけたい場合は回数を多く行うことで体力を強化することができます。

慣れてきたらこのように応用を効かせてあげることで行えることは増えてきますので、さまざまな視点で使用していただけると嬉しいです。

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