みなさんこんにちは。
脳出血を発症した方の中には
- ・トイレで踏ん張りすぎない
- ・運動で力を入れすぎない
のようにお医者さんから止められている人がいるのではないでしょうか?
なぜ、一般的に力を入れて力むのが脳出血の再発に関係するのか疑問ですよね。
このブログを読むことで、脳出血の再発予防を脳出血のメカニズムや、力の入れ方が分かり、正しい筋トレやトイレ方法を知ることができます。
筋トレやトイレで脳出血は再発するのか?
実際に筋トレやトイレで脳出血が起こるというのは「可能性がある」という方が間違っていないかもしれません。
やり方を間違えてしまうと、血管を破裂させてしまう危険性が高い事もありますので、安全な方法を解説していきます。
脳出血の原因
脳出血は、脳内の血管が破裂することによって発生し、最大の原因は厚生労働省からは「高血圧」だと言われています。※1
参考※1:e-ヘルスネット[情報提供]厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
急激な血圧上昇は、血管が既に損傷している場合や、動脈瘤ができていると、脳出血のリスクを高めてしまいます。
血圧上昇の敵「いきむ」
「血圧上昇」の筋トレやトイレ場面で起こりうる最大の原因として「いきみ」という行為が一時的な血圧上昇を発生させます。
いきみ(straining)とは、排便時や出産時などで力むことである。怒責ともいう。
具体的には、横隔膜と腹筋を収縮させて腹圧を上昇させる。いきみは、循環系に影響を与えることがわかっており、いきむ力が強いほど血圧・心拍数の変化が大きい。
看護roo!
便を出したり、思いっきり力を入れる時にはこの「いきみ」が必ず発生します。
いきむ場合は「短く、弱く」
名古屋大学の今井らは健康な男女を対象に、15秒のいきみをそれぞれ強さを変えて行った際の血圧・心拍数の変化を研究しました。
研究によると、15秒という時間でも、いきみの強さに比例して血圧の上下変動が大きくなることが報告されています。※2
また、少ない力でも直腸内圧が上がると報告もしており、わずかな強さのいきみでも排便の促しができるとしています。
2つの結果から、15秒より短い時間かつ、弱い力でも排便が促すことができると言われています。
脳出血が再発しないためにも、いきみは「短く、弱く」を心がけて行うようにしましょう。
参考文献※2:今井美香 他,「排便時における怒責圧が循環系に及ぼす影響」,日本看護技術学会誌Vol. 10, No. 1, pp 111 ─120, 2011
筋トレは「スーッ・フー」
排便については「短く、弱く」がポイントでした。
筋トレは「スーッ・フー」がポイントです。
「スーッ・フー」とはズバリ「呼吸」です。
呼吸を止めてしまうことで、先ほどの「いきみ」につながってしまいます。
そのため、なるべく呼吸を止めずに運動をしましょう。
どうしても止まってしまう方は数を数えながら運動をしてみると呼吸を止めずに運動することができます。
まとめ
今回は「筋トレやトイレで脳出血の再発するのか?」という疑問を解説してきました。
- ・いきむ場合は「短く、弱く」
- ・筋トレは「スーッ・フー」
を覚えておいてください。
もちろんこれは脳出血の再発予防であり、元凶である高血圧に対しての対策ではありません。
高血圧は適度な有酸素運動を継続して行うことで改善できるとも言われています。
継続して有酸素運動をしつつ、筋トレやトイレ場面では注意して生活をしましょう。
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この記事を書いた人
松浦 一将 理学療法士
JBITA公認 成人片麻痺基礎講習前講習1、2修了
大学卒業後、回復期リハビリ病院へ入職。主に脳梗塞・脳出血の患者様のリハビリを担当。同病院で訪問リハビリも経験させて頂き、より患者様の「生活」に近い場所でリハビリに携わってきました。2022年ハート脳梗塞リハビリ・ラボへ入職。「麻痺をよくしたい」という方はもちろん、前職の経験も活かし、目標に向けた最適な自主トレや運動方法のご提案、情報提供も行っています。 皆様の何気ない「笑顔」を大切に、目標を達成して共に成長できるよう全力でサポートさせて頂きます。