脳梗塞のリハビリ期間はどのくらい?

2023.05.21
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脳梗塞を発症すると様々な不安を感じることだと思います。

回復するのか?元の生活に戻れるのか?いつまでリハビリをすればいいのか?

今回はその中でも「リハビリの期間」について解説します。

この記事を読むことで、各フェーズでのリハビリの期間と内容がわかり、リハビリを続けることでつかめる「希望」を感じ取ってもらえると思います。

脳梗塞リハビリは発症からの月日によって役割が違う?

脳梗塞のリハビリに各フェーズ(役割)があることはご存じでしょうか?

脳梗塞を発症されると以下の流れで進んでいくのがほとんどです。

急性期病院でのリハビリ(○○更生病院、○○市民病院、○○大学病院など大きな病院)

             ↓

回復期病院でのリハビリ(○○リハビリテーション病院など)

             ↓

退院後のリハビリ(自宅での自主トレorデイサービスor外来リハビリor訪問リハビリ)

それぞれのリハビリの特徴とリハビリ期間(入院期間)についてより詳しくお話ししていきます。

各フェーズの概要

各フェーズのリハビリの期間と特徴

①急性期病院でのリハビリ

一般的に急性期病院は救急医療を携わっています。そのため「命を取り留める病院」、「手術を行う病院」という役割を持っています。

入院期間は2週間~1カ月程度が多いのが特徴です。

そんな急性期病院のリハビリの特徴は、「覚醒状態を改善させること=早期離床」が一番の目的です。

早期離床とは、ベッドで寝ている時間を減らし、車椅子に移ったり、立ち上がったりすることを意味します。

つまり、「麻痺を回復させること」よりも重力に体を慣らすことを最優先にします。

②回復期病院でのリハビリ

回復期病院はリハビリをするための病院です。。入院期間は最大で5カ月~6カ月と言われています。

しかし、実際には3カ月未満で退院する方が多いのが現実です。

なぜなら、回復期病院は「家に帰る状態にすること」を目的としているからです。

極端に言ってしまうと、麻痺した手足が使えるようにならなくても、元気なほうの手足で生活ができるようになれば退院することとなります。

そのため、入院中のリハビリは利き手を変えてご飯を食べられるようにしたり、足に装具をつけて歩けるようにすることを目指します。

「麻痺した手足をもっとよくしたいのに」という声は少なくありませんが、回復期病院の役割上、優先順位は低いのです。

③退院後のリハビリ

回復期病院を退院すると自宅もしくは施設で生活することとなります。

だいたい7~8割の方は自宅に戻ることができ、新しい生活がスタートします。

退院後のリハビリは大きく分けて3つになります。

1,介護保険を使用したリハビリ(主にデイサービスやデイケア、訪問リハビリ)

2,医療保険を使用したリハビリ(主に外来リハビリ、訪問リハビリ)

3,自主トレ

※介護保険を使うか、医療保険を使うかは年齢や状態などで変わります。病院の相談員やケアマネージャの方に聞いてみましょう。

退院後の保険を使ったリハビリの目的は「生活を維持すること」です。

脳梗塞の後遺症はリハビリを続けないと徐々に悪化し、生活ができなくなってしまいます。そのようにならないためにデイサービスや訪問リハビリで現状を維持することが必要です。

また、保険を使ったリハビリは時間の制約があります。多くても月に8時間程度が限界です。これは施設や事業所の問題ではなく、法律で決められています。

物足りなさを実感し自主トレに励まれる方も多くいらっしゃいます。

自主トレも頑張りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

あれ?麻痺を治すリハビリはどこでするの?

ここまで読んでくださった方は「麻痺を治すリハビリはどこでするの?」と思うのではないでしょうか。

実は、現在の医療の制度上、「麻痺を治す」という優先順位は1位ではありません。

各フェーズで担当になった療法士によっては、「麻痺を治す」ことに重点を置いてくれる人もいますが、そのような療法士の数はごくわずかで、担当になるかどうかは運次第になります。患者の皆さんが担当を選ぶことができないのです。

今まで説明してきたように、保険を使ったリハビリは時間に制限があり、役割も決められており、本質的には「患者さんの気持ち」に沿うことが難しいです。

自費リハビリの台頭

そこで、患者さんの気持ちに沿うために台頭してきたのが、保険外のリハビリ=自費リハビリという施設になります。

保険を使わない、つまり法律に縛られないため、時間や頻度、リハビリの役割、そのすべてが患者さんの希望に沿うことができます。

しかし、保険を使わないため、高額な費用が発生してしまうことも避けては通れません。

現在の医療業界は、様々な分野で自費施術が展開されています。例えば、歯医者、接骨院、美容外科、再生医療、がん手術など多岐にわたります。リハビリも同様ですが、決してお金儲けのために自費施術をしているわけではありません。保険を使うと法律に縛られ、本当の意味で患者さんの想いに応えることが難しいからなのです。

脳梗塞の回復の見込み

そうは言っても、高額な費用を払って治るのか?ということは気になるのではないでしょうか。

まず、定説として脳梗塞の回復は6カ月が頭打ちだというものがあり、「6カ月の壁」と言われます。

脳卒中の発症後、手足の麻痺や言語の障害などが残る場合がある。運動機能等の低下が認められた場合には医療機関等においてリハビリテーションが実施されるが、一般的に運動機能はおよそ発症から 3~6 か月までに顕著に回復し、それ以降はあまり変化が見られなくなる。ただし、言語機能などは 1 年を経過して徐々に改善する傾向がある。結果的に残存した機能低下を「障害」という。

厚生労働省 「脳卒中に関する留意事項」

発症してから6カ月を過ぎると回復しなくなるのかというと、決してそのようなことはありません。

「6カ月」という期間は病院に入院できる期間であり、リハビリを積極的に行っていた期間でもあるのです。

つまり、6カ月を過ぎた後も積極的にリハビリを行うことで日進月歩ではありますが、回復していきます。

海外の論文では「脳卒中の上肢や手の回復は半年以降が多い」という結果も出ているので、運動機能の回復の変化は6ヶ月以降もあるようです。

詳しくまとめた記事がございますので、「6ヶ月の壁」が気になる方はこちらも読んでみてください。

発症から6カ月以上経過しても歩く速さが劇的に速くなった方もいらっしゃいます!

・40代男性

・右視床出血,左片麻痺

・発症:6カ月前

装具と杖を使って屋内、屋外を歩いていた利用者の方です。

最終的には、屋外は杖なし歩行ができるようになり、使っている装具は重たい金属から軽い小さいプラスチックのものに変えることができました。

動画を見ると一目瞭然です。一度ご覧ください。

どのように回復していったのかを経過とともにロードマップで解説!

約10カ月、リハビリラボの来院されました。

最初の4カ月は週1回の頻度、その後の6カ月は月2~3回の頻度でリハビリを実施しました。

歩行速度は劇的に変化し、現在は復職に向けて頑張っておられます。

リハビリラボではどんなことをするの?

では、最後に当院のリハビリ内容を簡単に紹介します。

リハビリラボの特徴は大きく2つあります。

1つは脳梗塞の後遺症回復に特化した鍼治療です。

リラクセーション目的の鍼治療だけでなく、神経を促通するための鍼治療を行います。この方法は直接中国で学んできたもので、日本で行える鍼灸師は数少ないと言われています。

もう一つの特徴は川平法を主とした他手技のリハビリです。

川平法とは、日本で推奨されている脳梗塞回復のリハビリ方法で、東海地区で行える場所がほとんどありません。

リハビリラボでは数少ない川平法実施施設となります。また、その他手技も取得している療法士ですので、一人ひとりに本当の意味でオーダーメイドしたリハビリを行うことができます。

気になる方は下のページで詳しく説明させていただいていますのでご覧ください。

※大好評につきご予約がお取りできない日もございます。
ご予約はお早めに!

この記事を書いた人

松浦 一将 理学療法士

JBITA公認 成人片麻痺基礎講習前講習1、2修了

大学卒業後、回復期リハビリ病院へ入職。主に脳梗塞・脳出血の患者様のリハビリを担当。同病院で訪問リハビリも経験させて頂き、より患者様の「生活」に近い場所でリハビリに携わってきました。2022年ハート脳梗塞リハビリ・ラボへ入職。「麻痺をよくしたい」という方はもちろん、前職の経験も活かし、目標に向けた最適な自主トレや運動方法のご提案、情報提供も行っています。 皆様の何気ない「笑顔」を大切に、目標を達成して共に成長できるよう全力でサポートさせて頂きます。

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